【完全保存版】ローマ4大パスタの進化と歴史|素材が主役の伝統レシピを紐解く

ローマ4大パスタを実際に作って並べている写真

先日、自宅でカルボナーラを作っていたとき、何気なく妻とこんな会話をしました。

cozy

「そういえば、カルボナーラってカチョ・エ・ペペの親戚みたいなものらしいよ」

すると、返ってきたのは少しポカンとした表情で一言。

cozyの奥さん

「カチョ・エ・ペペって何?パスタ?美味しいの??」

確かに、好んでイタリアンを作ったりしない人でなければ、名前が分かるローマのパスタといえばカルボナーラくらいかもしれません。私もカルボナーラ以外で知っているローマの伝統的なパスタといえばカチョ・エ・ペペとアマトリチャーナくらいです。(というより、カルボナーラ=ローマのパスタっていう認知もそこまでなされていないかも)

ちょっと気になってちゃんと調べてみたのですが、
ローマには「ローマ3大パスタ」と呼ばれる伝統的なパスタがあり(カチョ・エ・ペペ、アマトリチャーナ、カルボナーラの3つ)、イタリア国内ではグリーチャを加えた「4大パスタ」として語られることが多いようです。
私はグリーチャというパスタのことは今回の記事で初めて知りました!

ちょうど連休のタイミングだったので、カチョ・エ・ペペ/グリーチャ/アマトリチャーナ/カルボナーラの4皿を同時に作ってみて、レシピや味の違いと、パスタの成り立ちを比べてみました!

この記事では、ローマ3大パスタ(4大パスタ)の歴史的背景と素材の思想を整理しつつ、家庭で再現するためのポイントや、それぞれの違いを実体験ベースで解説していきます。

目次

個別のレシピはそれぞれの記事で紹介しています

※この記事は、ローマ3大パスタの歴史的背景を踏まえた読み物として書いています。
イラストよりもテキストが多めです。

各パスタ毎にレシピ記事を書いていますので、作ってみた手順をご覧になりたい方は以下から確認してください!

カチョエペぺ

グリーチャ

アマトリチャーナ

カルボナーラ

ここからはローマ3大パスタ(4大パスタ)を掘り下げていきます!

ローマ3大パスタ(実は4大パスタ)とは?

実はグリーチャを加えての4大パスタ

ローマ3大パスタとは、ローマの食文化を象徴する以下の3つのパスタ料理を指します。

  • カチョ・エ・ペペ
  • アマトリチャーナ
  • カルボナーラ

↑に「グリーチャ」を加えた4大パスタとして捉えると、とてもわかり易く変遷を見ることが出来ます。
それぞれのパスタの成り立ち(派生)は以下です。

カチョ・エ・ペペ(Cacio e Pepe)|チーズと胡椒だけのローマ最古のレシピ

ローマの羊飼いが愛した保存食であるペコリーノ・ロマーノと胡椒だけで作る、超絶シンプルなパスタ
日本の料理で例えると、ご飯に出汁をかけたシンプルなお茶漬け

グリーチャ(Gricia)|豚の旨味を加えた「白いアマトリチャーナ」

カチョ・エ・ペペにグアンチャーレ(豚の脂の旨み)を加えて作るパスタ
日本の料理で例えると、明太子をトッピングした贅沢な明太茶漬け

アマトリチャーナ(Amatriciana)|豚のパンチとトマトの酸味

グリーチャにトマトを加えて作るパスタ。
日本の料理で例えると、酸味と豚の旨みの効いたパンチの効いた豚キムチ丼

カルボナーラ(Carbonara)|卵とチーズが織りなす黄金のレシピ

グリーチャに卵を加えた、世界で最も有名なパスタ。本場では生クリームは使いません
日本の料理で例えると、出汁で煮た鶏肉を卵で閉じたトロトロの親子丼

カチョ・エ・ペペの子どもがグリーチャ、
グリーチャの子どもアマトリチャーナとカルボナーラといったイメージですね!(GeminiのNano Bananaで家系図作ってもらいました!)

ローマ4大パスタの家系図

なぜ「ローマ3大パスタ」と呼ばれるのか?

ここでみなさん思いましたよね?。
なんでグリーチャは「3大パスタ」から外されているの?と。私も思いました。

冒頭にも書きましたが、実はイタリア現地では、
カチョ・エ・ペペ/グリーチャ/アマトリチャーナ/カルボナーラの4つを「ローマ4大パスタ(I quattro primi romani)」と呼ぶようです。

日本ではメディアや旅行ガイドブックの影響などで、

  • カチョ・エ・ペペ(ローマらしさの象徴、パスタレシピの原点としてウケがいい)
  • アマトリチャーナ(トマトソースで分かりやすい)
  • カルボナーラ(世界的知名度が圧倒的に高い)

という「キャラクターの立った3つ」が取り上げられて、「ローマ3大パスタ」として定着してきたようです。
また見た目や味の説明が「トマト抜きのアマトリチャーナ」「豚の脂を足しただけのカチョ・エ・ペペ」となりやすく、単独での認知が広がりにくかった点も要因としてあるのかも知れません。

ただ上記の通り、グリーチャはローマパスタの進化工程においてとても重要で欠かせない存在です。
グリーチャは派手さはないものの、いないとみんな困る“懐の深い優しいお父さん”のようなパスタです。

歴史的背景から読み解くローマパスタの成り立ち

ローマのパスタは庶民のパスタ

まずローマのパスタを理解する上でキーワードとなるのが、「cucina povera(クチーナ・ポーヴェラ)」という言葉です。

  • cucina:キッチン(台所)、料理
  • povera:貧しい、乏しい

という意味で、直訳すると「貧乏な料理」という中々強めの言葉ですが、庶民的な起源を持つ料理のことを指します。

古代から、ローマはヨーロッパ最大級の都市でした。
冷蔵庫も電気も当然にない時代に人口は最大で100万人規模。
毎日膨大な量の食料を地方から運ばないと食べるものがないため、必然と「保存出来る食材」を中心に食文化が発展していきました。

パン、オリーブオイル、ワイン、チーズ、塩漬けの肉といった食材は、どれも今でもイタリアを代表する食材ですが、これらは古代からローマ庶民の食卓に欠かせないものだったんですね。

塩漬けの豚肉が浸透した理由

塩は肉などの食材の腐敗を防いで遠距離での輸送を可能とし、栄養を長期間保存出来るので、いわば都市文明を支えるインフラでした。ローマ帝国では塩の流通網が整備され、当時のヴィア・サラリア(塩の道)は今でもサラリア街道と呼ばれ、ローマを起点とする街道として残っています。

この環境が、肉を塩で保存する文化を自然と育てました。

冷蔵庫のない時代に肉を腐らせずに保存することはまさに死活問題で、そこで活躍したのが、ローマ近郊の「オスティア」などで採れるです。

肉を塩に漬け、適度な湿度と温度で乾燥させる。この「水分を抜く」という工程は、当時の人々にとって最も信頼できる保存技術でした。またこれらは単なる保存食ではなく、熟成の過程で「アミノ酸の塊(旨味の爆弾)」へと進化する=美味しくなることに、当時の人々は気づいたのです。

そして、豚は雑食で飼いやすく、狭い土地でも育つためイタリア中部では牛よりも豚のほうが飼育に適していました。
脂は調理油、赤身は塩漬け、内臓はソーセージと捨てる部分がほとんどなく、100%使い切れる生活動物だったので、沖縄県人と同じくまさに「豚は鳴き声以外すべて食べる」の状態だったんでしょうね。

特に豚バラ肉、頬肉は脂と赤身のバランスがよく、塩漬けに最適でした。
それらがグアンチャーレ、パンチェッタと呼ばれるようになります。

  • 頬肉(グアンチャーレ):運動量の多い首筋の肉。脂が硬く締まっており、加熱しても溶け出しにくい。
  • 豚バラ(パンチェッタ): 脂身と赤身のバランスが良く、汎用性が高い。

ちなみにドイツや北フランスといった北ヨーロッパでは燻製の文化が発達しましたが、ローマ周辺では燻製はあまり主流にはなりませんでした。理由はシンプルで、地中海性気候で乾燥しやすい環境だったためです。わざわざ設備を整えて薪を炊いて燻製しなくても塩漬け+乾燥だけで十分に保存が出来たんですね。

燻製で香りをつけるのではなく、塩漬けの素材の旨みと油の甘みを最大限味わうという環境が、極めてミニマルな味覚文化を形成したのかもしれません。

ローマパスタが素材主義なのもこういった歴史的背景に起因しているのかもと思うとなんだか楽しくなりますね。

カチョ・エ・ペペの誕生

カチョ・エ・ペペは、ローマ周辺の羊飼いたちの食文化から生まれたと言われています。
彼らが山に持っていける食材はとても限られていました。

  • 長期保存できる乾燥パスタ
  • 塩分が強く腐りにくいペコリーノ・ロマーノ
  • 体を温め、保存性も高いブラックペッパー

香りを出したブラックペッパーを、パスタの茹で汁と山羊チーズでソースにしたパスタ。
水さえあれば調理できるし火も最低限で済むので、移動しながら生活を行う彼らにとっては最も合理的な食事だったんでしょうね。

実際に4皿同時に作ってみて一番驚いたのは、カチョ・エ・ペペの「誤魔化しの効かない厳しさ」でした。
シンプルだからこそ素材の味、乳化や温度管理などの技術がダイレクトに反映されます。

いつか本場のレシピで美味しいカチョ・エ・ペペが作れるようになりたいものです。

しかし、限られた食材の中でもいやいやご飯は美味しくないとダメじゃん?って言っていろいろと試行錯誤してくれた陽気な古代ローマ人たちがいたことは想像に難くないですね笑

厳しい市況の中で限られた資源で最大限の成果を求められる現代の我々ジャパニーズビジネスマンの置かれる環境も、古代ローマの羊飼い似ていると思いませんか?カチョ・エ・ペペという偉大なレシピを残してくれた彼らに敬意を表しながら、我々も日々を楽しみながら後世に残るような成果物を世に出していきたいものです。(完全に脱線してますね笑)

グアンチャーレとの出会い、グリーチャに進化

カチョ・エ・ペペにある日、保存食としてのグアンチャーレ(豚の頬肉の塩漬け)が加わります。
日本では「アマトリチャーナビアンコ」とも呼ばれるグリーチャの誕生です。

厳しい山での生活を送る羊飼いたちは、自分たちが作った自慢のペコリーノチーズを抱えて里へ下ります。
アマトリーチェ近郊のグリシャーノ村の人々は、冬を越すための貴重な備蓄食として豚の塩漬け(グアンチャーレ)を持っており、物々交換が始まります。

実際に自分でグアンチャーレを炒めてみると分かりますが、パチパチと音を立てて透明な脂が溢れ出す様子と香りは、まさに「旨味の抽出」そのものです。

陽気な古代ローマ人が、いつものカチョ・エ・ペペにこの脂ぶちこんだんでしょうね笑
美味しいけどシンプルだったカチョ・エ・ペペに、豚肉の旨味という強力な個性が加わったグリーチャというパスタは、羊飼いたちにとって最高のご馳走だったに違いありません。

※ちなみにアマトリチャーナビアンコはイタリア語の文法的には間違いです。
Duolingoでイタリア語を250日以上継続している私にはわかります、正しくはアマトリチャーナビアンカ(女性名詞には女性形容詞なので、男性形容詞のbiancoではなく女性形容詞のbiancaが正しい)です。

「ビアンコ」という呼び方が定着している理由は、一説にはイタリア料理が世界に広まる過程で、男性名詞である「Vino Bianco(白ワイン)」や「Risotto Bianco(白のリゾット)」といった言葉の印象が強く印象付いてしまい、外来語として「白=ビアンコ」というイメージが独り歩きしてしまったからだと言われています。

名前が語る「歴史の諸説」

「グリーチャ」という名前の由来には諸説あるようです。

  • Grisciano(グリシャーノ)村説
    • 先ほどのグリシャーノ(Grisciano)村の羊飼いたちがローマに持ち込んだから生まれた、という説。
    • この村では今でも、自分たちがグリーチャの生みの親であるという誇りを掲げ、「グリーチャ祭り」という祭を開催しています。
  • Grici(灰色)の男説
    • かつてローマで食料品店を営んでいた人々は、粉まみれの質素な服を着ていたことから「グリージ(Grici=灰色)」と呼ばれていました。彼らが店にある材料で手早く作った賄い飯だった、という日常感溢れる説。

どちらのエピソードも人間味があって素敵ですね。

実際に4皿同時に作ってみて一番驚いたのは、このグリーチャの「レシピとしての完成度」でした。
ただグアンチャーレの脂が加わるだけでこれほどまでに満足感のあるご馳走になるのかと、動物性タンパク質の力強さに感服しました。

しかし、歴史はさらに動きます。18世紀末、海を渡ってやってきた「情熱的な赤い果実」が、この黄金色のパスタを鮮やかに塗り替えていくことになるのです。

「赤い革命」アマトリチャーナ

18世紀末、この完成された「白いパスタ」に、歴史を塗り替える大きな事件が起こります。
新大陸からやってきたトマトとの出会いです。

それまで観賞用として扱われていたトマトを、初めてパスタソースとしてグリーチャに投入したのが、アマトリーチェの料理人フランチェスコ・レオナルディだったと言われています。
彼は1790年、当時の教皇庁のために開かれた宴で、この「赤いアマトリチャーナ」を披露しました。

グアンチャーレの濃厚な脂、ペコリーノの強い塩気。そこにトマトの酸味と甘みが加わった瞬間、それは単なる「グリーチャの派生」を超えて、ローマを象徴する爆発的な人気料理へと進化を遂げたのです。

実際に今回、グリーチャとアマトリチャーナを作り比べてみて、その「トマトの存在感」に驚きました。トマトが入ることで脂のパンチが酸味と調和され、一気に「華やかな主役」になる。でも、その根底にはグリーチャから受け継いだ脂の旨味がしっかりと流れている。まさに、歴史というバトンが繋がれた瞬間をキッチンで目撃した気分でした。

奇跡の出会い、カルボナーラの誕生

カチョ・エ・ペペ、グリーチャ、アマトリチャーナ。
これらローマパスタの系譜に最後に加わったのがカルボナーラです。
その誕生には諸説ありますが、最も有力なのが1944年、第二次世界大戦下のローマ解放にまつわる物語です。

当時、ローマに駐留していた米軍兵士たちが持っていた「Kレーション(携帯食糧)」には、卵の粉末とベーコンが含まれていました。現地の料理人が、この「卵とベーコン」を、ローマ伝統の「グリーチャ(グアンチャーレとチーズ)」と組み合わせたことが始まりだと言われています。

イタリアの伝統的な食材と、アメリカから持ち込まれた豊かな栄養源の融合した「奇跡のパスタ」がカルボナーラなんですね。

ちなみに「カルボナーラ(Carbonara)」という名前は、イタリア語で「炭」を意味する「Carbone」に由来し、一般的には「炭焼き職人のパスタ」と訳されます。
名前の由来にも諸説あるようですが、みんな大好きで美味しいパスタであることに違いはありません。

  • 炭焼き職人説: 山にこもる職人たちが、仕事の合間に手近な保存食で作ったからという説。
  • 仕上げの胡椒説: 仕上げに振る大量の黒胡椒が、炭の粉のように見えたからという説。

実際に今回、4皿作って食べ比べて感じたことは、カルボナーラはローマパスタの中でも、最も「完成された一皿」だということでした。

グリーチャ譲りのグアンチャーレの脂の旨味に、卵黄とチーズが加わることで味の厚みと満足感は一気に増します。
ただ、卵とチーズという素材の性質上、少し間違えると重たくなりすぎたり、ぼやけた味にもなり易いです。

そこでKeyとなるのが、仕上げの黒胡椒の存在です。

濃厚な卵黄、チーズ、グアンチャーレという“重心の低い旨味”を、黒胡椒の鋭い香りが上からスッと引き締めてくれる。
このコントラストがあるからこそ、カルボナーラは「濃厚なのに食べ疲れしない」一皿になるのだと思います。

カチョ・エ・ペペの緊張感、グリーチャの力強さ、アマトリチャーナの分かりやすさ。それらをすべて内包しつつ、最も多くの人に愛される形にまとめ上げたのがカルボナーラです。
だからこそカルボナーラは、“ローマの家庭料理”から“世界の定番”になったのだと、今回実際に作ってみてよく分かりました。

実際に作ってみました!

4種類のパスタを作ると言っても、材料は以下だけです!

  • マンチーニのスパゲッティ:200グラム(50グラム×4皿分)
  • ペコリーノ・ロマーノ(カルディで買えるやつ)
  • マリチャのペペ(ブラックペッパー)
  • 自作のグアンチャーレ80グラム弱(真空パックで冷蔵庫で保管していたもの)
  • トマト缶(自分で裏漉しする)
  • 卵2個(使うのは卵黄だけ)

カチョ・エ・ペペ:❶❷❸
グリーチャ:❶❷❸❹
アマトリチャーナ:❶❷❸❹❺
カルボナーラ:❶❷❸❹❻

ローマパスタの材料はシンプルです!

気合いの4皿同時調理!

NARUMIの可愛いパスタ皿

「カチョ・エ・ペペ」から「カルボナーラ」まで、ローマパスタの進化の系統樹を一気に駆け抜ける。
言葉で言うのは簡単ですが、パスタはスピードが命。1人で4皿を最高の状態で仕上げるには、コンロの火を点ける前の「戦略」がすべてを決めます。

今回は、私が実践した「パニックにならないための4皿同時攻略メソッド」をダイジェストでご紹介します!

1. 下準備が8割:食材は全て事前にボウルに小分け

まずは徹底した下準備(ミザンプラス)です。
マンチーニのスパゲッティを茹で始めてからチーズを削っていては、絶対に間に合いません。 100均の調理トレイをフル活用し、以下のものをすべてパスタごとに小分けにしました。

左から、カチョ・エ・ペペ用、グリチャ用、アマトリチャーナ用、カルボナーラ用です。
上のお皿に載っているチーズは仕上げ用です。

あとは調理するだけ!の状態を作ることで気分も高まってきます。
※ちなみに、1皿ずつ作る時は直前に削ったほうが風味が良いのでパスタ茹でてから削りましょう!

ペコリーノを削る

ペコリーノは全てのパスタに使います。今回は以下の量を削りました。

  • 合計:80グラム
    • カチョ・エ・ペペ:20グラム
    • グリーチャ:15グラム
    • アマトリチャーナ:12グラム
    • カルボナーラ:18グラム
    • 仕上げ&予備:15グラム

写真の量で30グラムくらいでしたので、この量を3回削ります。
数字で書くとへーですが、実際にグレーターで削るとえっ?本当にこんなに使うの??と多分ビビります笑。

グアンチャーレを切る

見てわかる通り、ほぼ脂です。
数ヶ月前のものとは思えない程にキレイな断面でした!今回は以下の量としました。

  • グリーチャ:26.4グラム
  • アマトリチャーナ:20.3グラム
  • カルボナーラ:30.4グラム

小数点1位までの表記になっているのはキッチンスケールを新調したからなので気にしないでください笑

トマトは裏漉して使う分だけボウルで分ける

あらかじめ裏漉しされている市販のパッサータポモドーロでもいいですが、トマト缶の方が安いですし酸味があって良いような気がします。使わない分は別のボウルやお皿に取り分けて別の料理に使います。

卵は卵黄だけ

黄身と白身を分けるためだけのグッズ。
前は100均のステンレスのもの使っていましたが、いまはOXO(オクソー)のシリコンで可愛いやつを愛用しています。あなたも使ってみたらわかります、最高です。

2. 旨味の源泉:グアンチャーレを「3つの山」で攻略する

3つのパスタで自家製グアンチャーレを使いますが、一つのフライパンでまとめて加熱をすることにしました。
せっかく測ったのでそれぞれを3つの山に陣地分けします。

上の短冊がアマトリチャーナ用、左下のゴロゴロした形のものががグリーチャ用、右下の正方形みたいな形のものがカルボナーラ用です。弱火でじっくり火を入れてコロコロすると美しい狐色になり、脂がフライパンに出てきます。


こうすることで、すべてのパスタのベースとなる「グアンチャーレの脂」を均一に、かつ効率よく各皿へ引き継ぐことができます。詳細は各パスタのレシピに書きますが、私はアルミパンを1個しか持っていないこともあり、家にあるフライパンを総動員して臨みました。

カチョ・エ・ペペ
  • 中尾アルミフライパン
    • 熱反応が速く、火加減を瞬時に調整できるため、チーズの乳化をコントロールしやすい。
グリーチャ
  • 中尾シルクフライパン
    • 蓄熱が強く、脂を安定して溶かせるため、グアンチャーレの旨みをムラなく引き出せる。
アマトリチャーナ
  • バッラリーニ サリーナ
    • 表面コーティングが強く、トマトの酸と水分をしっかり受け止められる。
    • ソースの跳ね・焦げ付きが少なく、色と香りをクリアに保てる。
カルボナーラ
  • 燕三条のボウル
    • 湯煎での調理をすることで余熱が穏やかで、卵が固まりにくく、滑らかなソースに仕上げやすい。

各フライパンをこの状態にしたらパスタを茹で始めます。

3. 怒濤のフィニッシュ:120秒のマンテカトゥーラ

今回のマンチーニは、茹で時間目安が9分〜11分と書かれていたので9分で引き上げます。

パスタが茹で上がる2分前。ここからは1秒も無駄にできません。
ジオ・プロダクトの鍋からパスタを各フライパン・ボウルへ振り分け、一気にマンテカトゥーラに入ります。

  • カチョ・エ・ペペ:火を止めて予熱でチーズを溶かす。
  • グリーチャ:シルクパンの滑りを活かして煽りまくって脂を乳化させる。
  • アマトリチャーナ:真っ赤なトマトソースを麺の芯まで吸わせる。
  • カルボナーラ:ボウルを湯煎して、卵和えパスタからカルボナーラへ。

マンテカトゥーラとは、フライパンを煽ってパスタとソースに空気を含ませ乳化を促進して仕上げることです。
マンテカトゥーラ!マンテカトゥーラ!!」と叫びながらフライパンを振っていたら妻から心配されました笑。

キッチンに広がる、チーズの香りとグアンチャーレの芳醇な脂の香り。
4つの皿が並んだ瞬間、そこには数百年の歴史が凝縮された「ローマの風景」が完成していました!

4皿を一緒に作って食べ比べて比較した感想

実際に作って食べ比べた感想です!
1人で仕上げることは大変でしたが、下準備をしっかりして工程を整理すれば割と大丈夫でした!

カチョ・エ・ペペのアップの写真
カチョ・エ・ペペ
  • ペコリーノを茹で汁で上手く溶かして、ダマにならないように粘度のあるソースとするには技術が必要です。
  • チーズを増やせば粘度は出るが、ペコリーノだけだと辛くなる。なのでグラナパダーノやパルミジャーノを混ぜるレシピが多いのかと思いました。
  • 最もシンプルなレシピだからこそ、ペコリーノロマーノの塩味とブラックペッパーの鋭さが全面に出ますね。
  • 素材の質と作り手の腕がダイレクトに味に反映される、誤魔化しの効かないパスタです。
  • 腕の足りない私がペコリーノだけで作ったので改善の伸び代は多いにありそうですが、シンプルで美味しかったです。
グリーチャのアップの写真
グリーチャ
  • 作り方はほぼカチョ・エ・ペペと同じなので、粘度のあるソースに仕上げるには同じく技術が必要です。
  • ただ、グアンチャーレの脂が入る分ソースにまとまりも出易いので、カチョ・エ・ペペよりも作り易いと思います。
  • カチョ・エ・ペペと食べ比べると、グアンチャーレの脂の旨味の強さを強く実感出来る。ゆっくり弱火で抽出した豚の脂って本当に美味しい。
  • シンプルな構成にグアンチャーレのパンチ力が加わり、個人的には1番好みな味でした。とても美味しかったです。
  • チーズがダマになったのでグアンチャーレ仕込んだらリベンジします。
アマトリチャーナのアップの写真
アマトリチャーナ
  • 温度管理さえ間違えなければ作ることはそこまで難しくないです。
  • ちゃんと煮詰めれば、トマトの酸味とグアンチャーレの脂のパンチ力と甘みが上手く調和されます。
  • グリーチャの感じは弱まっていて、トマトの存在感ってやっぱり強いんだなと感じました。グリーチャから派生したパスタとは、言われないと分からないんじゃないかな。
  • トマトの酸味とグアンチャーレの旨みのハーモニーで安定の美味しさでした。
  • チーズがダマになったのでグアンチャーレ仕込んだらリベンジします。
カルボナーラのアップ写真
カルボナーラ
  • グアンチャーレの脂でまとまり易く粘度も出易いので作り易いです。
  • ボウルを使って湯煎(バーニョ・マリア)して作ればスクランブルエッグになる失敗をすることはないです。
  • ただちゃんと火入れをしないとただの卵和えパスタになるので要注意。
  • グリーチャのパンチ力に、卵黄とチーズの相性の濃厚さが上乗せされるので一口目からノックアウトです。
  • そこに大量のブラックペッパーで味が引き締まるので、みんな大好きなのも納得です。安定の美味しさでした。

4皿を作り終えて

  • カチョ・エ・ペペから始まり、
  • グアンチャーレが加わったグリーチャ、
  • トマトが彩りを添えたアマトリチャーナ、
  • そして卵がコクを添えたカルボナーラ。

今回は、自家製グアンチャーレを3つの山に分けて炒める という合理的な工程を試みましたが、それは単なる効率化ではなく、数百年かけて進化してきたローマパスタの「引き算と足し算」の歴史を自分のキッチンで再構築するという、哲学的で贅沢な体験だったのかも知れません。

ローマ3大パスタは、歴史的な変遷を踏まえても間違いなく「ローマ4大パスタ」であると私の中では定義付けられました。

まずは気になった1皿を作ってみてください!!レシピは詳細は以下から見れます!

カチョエペぺ

グリーチャ

アマトリチャーナ

カルボナーラ


どれから作ってみれば良いの分からないという方は、是非ローマパスタの原点であるカチョ・エ・ペペから初めてみてください!今回の失敗を踏まえてリベンジしています笑

最後までご覧いただきありがとうございました!マンテカトゥーラ!!

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