【完全保存版】厚切り豚ロースが極上しっとり。科学で焼く「究極のポークステーキ」の焼き方とロジック

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ポークステーキのアイキャッチ画像

ステーキを焼くなら、肉を常温に戻してから

以前、こちらの記事で「牛ステーキは常温に戻してから焼くのがセオリー」と書きましたが、豚肉においてそのロジックは通用しません。

豚肉のステーキは、牛肉と同じ焼き方では失敗」します。

豚肉を美味しく焼くポイントは、牛肉とは真逆で「コールドスタート(肉もフライパンも冷たいまま焼き始めること)」です。

今回は、私が実際に検証してたどり着いた、脂身はカリッと甘く、身はロゼ色にしっとり仕上げる「ロジカル・ポークステーキ」の焼き方を解説します。スパークリングワインが止まらなくなる「焦がしバターとハーブのソース」も必見です!

厚切りの豚ロースといえばトンカツのイメージが強いと思いますが、今週末は美味しいポークステーキで乾杯しましょう!


ちがうちがう、豚肉じゃ、豚肉じゃない!牛肉だ!という方は是非以下の記事を参考にしてください!

目次

家ポークステーキの成功のカギは「牛との違い」を知ること

北海道産ホエイ豚の豚ロースステーキ肉

今回は、いつもお世話になっているオーケーストアで購入したグラム215円の北海道産のホエイ豚をいただきます!

詳細は追って写真と一緒に手順を紹介しますが、牛肉との焼き方の違いを押さえておきましょう。


  • お肉の温度
    • ビーフステーキ:冷蔵庫から出して2−30分経過した常温の状態
    • ポークステーキ:冷蔵庫から出してすぐの冷たい状態

まず焼き始める前のお肉の温度に違いがあります。
牛肉は短時間でレアに仕上げるため、中心温度が冷えたままだと余熱が中まで入らないので常温に戻してから焼くのが定石です。
対して豚肉は、最初に脂身をじっくりと焼き切るため常温だと身に火が入りすぎてパサつく原因になります。

フライパンで焼く時間が牛より長いので、常温に戻さずに冷たい状態のまま焼きます


  • 火入れの仕方
    • ビーフステーキ:強火で最高温度で一気に表面を焼き固め→余熱で火入れ→強火で仕上げ
    • ポークステーキ:弱火で徐々に火入れ→余熱で火入れ→強火で仕上げ

次に火入れの仕方です。牛肉は最初から強火ですが、豚肉は弱火で内部温度を上げてから、最後に強火でカリッとした食感に仕上げます。
牛肉はレア(50℃前後)でも食べられるので最初から強火→火入れで中心温度の仕上げが出来ますが、豚肉はレアで食べれないため中心温度を63℃以上に加熱することが必要です。最初から強火だと十分に中心が温まる頃には外側に火が入り過ぎてパサついてしまうというわけですね。

また、豚肉は牛よりも分厚いので小まめにひっくり返して両面から焼きを入れるのも牛肉との違いです。

狙う中心温度が異なるので豚肉は弱火でじっくり火を入れます。


  • 脂身の考え方
    • ビーフステーキ:部位によるが基本は赤身のレア度を重視
    • ポークステーキ:最初に脂身を焼き切ることが必須

最後に脂身の考え方です。
牛肉は全体の火入れを重視しますが、豚肉(特に豚ロース)には分厚く白い脂身があります。
この脂身こそが豚ロースの最大の魅力であり主役です。冷たい状態から時間をかけてこの脂を焼き切ることで香ばしくてトロける胸焼けしない甘い脂身になります。

豚ロースの脂身を最初にちゃんと焼き切ることがポークステーキで最も重要なポイントです。

【前日の準備】塩を振って冷蔵庫で「1日」寝かせる

牛肉と同じく、前日の下処理が勝負です。
下処理(ドリップをキッチンペーパーで拭く作業)をしたのちに、塩を振ってバットに乗せて冷蔵庫で寝かせます。
ラップをしないで乾燥をさせることがポイントです。

塩を振ると浸透圧でお肉のタンパク質が変性して、焼いた時に肉汁を保持する力が強まりますが、表面が乾燥していないとどうしてもそこから肉汁が出てしまうんですね。
表面の水分を飛ばしておく(乾燥させておく)ことで、お肉をフライパンに入れた瞬間に爆速で焼き色をつける(メイラード反応を起こす)ことが出来ます。

ちなみに豚肉のほうがこの冷蔵庫での乾燥への依存度は高いです。

牛肉は最初から強火で焼くのである程度の水分は飛ばせますが、豚肉は「弱火」で優しく焼く必要があります。
もし表面に水分があるまま弱火で焼くと、いつまで経っても焼き色はつかずにただの「茹で豚」になってしまうんですね。「弱い火力でも香ばしく焼き色をつける」ためにも事前の冷蔵庫乾燥が必須です。

※ちなみにこの塩をして冷蔵庫で乾燥という工程は、私がいつも作っている自家製パンチェッタの技術を応用したものです。パンチェッタは1週間以上の時間をかけますが、ステーキなら24時間でOKなんです。


まずはトレイから出してお肉の表面をキッチンペーパーでしっかりと拭きます。

豚肉のドリップを拭いている状況

キッチンペーパーでドリップを拭ったら、次は筋切りです。
豚肉は加熱による収縮が激しいので、脂身と赤身の間にある筋を切っておきましょう。

豚肉の筋を切っている写真
豚肉の筋を切った状態の写真

裏面も同じように筋切りしておきましょう。

豚肉の筋を切った状態の写真

続いて両面にしっかり塩を振ります。
塩の量はお肉の1%前後が良いとよく言われますが、両面に薄く塩が乗るくらいの量が大体1%です。
高い位置から振るとキレイに均等に振れます!

筋を切った豚肉にアルペンザルツの塩をかける写真
筋を切った豚肉にアルペンザルツの塩を満遍なく振りかけた写真

塩を振ったらラップなしで冷蔵庫に入れます。
冷蔵庫の奥に吹き出し口があると思いますが、ここから冷蔵庫を冷やす冷たい風が出ています。その近くだとより乾燥しやすいので、私はいつも吹き出し口の近くに置いています。

冷蔵庫で乾燥させている豚肉

下準備は以上です!牛肉の時にも書きましたが、めちゃくちゃ簡単で5分もかからないです。
あとは焼くだけです!

【火入れの科学】「コールドスタート」と「魚焼きグリル保温」

下準備が大事と言っておきながら、実は今回は冷蔵庫乾燥が4時間程しか出来ませんでした。。
とはいえ、たとえ短時間でも冷蔵庫乾燥は必ずした方が良いです!

4時間後の豚肉がこちらです。発色が良くなってますね。

4時間乾燥させた豚肉
4時間乾燥させた豚肉のアップ

やはり4時間だと乾燥が甘いですね。裏面の網との接地面に水分が溜まってしまっています。本当はもうちょっと乾燥をさせたいところですが、キッチンペーパーで拭って焼き始めます!

4時間乾燥させた豚肉のアップ
4時間乾燥させた豚肉を拭いている写真

鉄フライパンでの焼きはコールドスタート

豚肉はコールドスタートです。フライパンも冷たい状態から始めます
私はお肉は山田工業所の鉄フライパンで焼くのが好きなのですが、豚肉は強火を求めないのでテフロンなどのコーティングしたフライパンでも良いと思います。

山田工業所の鉄フライパン

鉄フライパンはそのままだと焦げ付いてしまう可能性があるので予め油を引いておきます。

山田工業所の鉄フライパンにオリーブオイルを垂らしている写真

はい、入れ過ぎました。。ちょっともったいないですがオリーブオイルは多いに越したことはありません。
キッチンペーパーで馴染ませれば大丈夫です。

山田工業所の鉄フライパンに乗ったオリーブオイルをキッチンペーパーで拭っている様子

フライパンに油を馴染ませたらトングで脂身を底にして豚肉を垂直に立てます。
この状態になったら火をかけましょう。火加減は弱火(強くしたとしてもMAXで弱目の中火くらい)です

山田工業所の鉄フライパンで豚肉を立てて焼いている状況

数分するとジリジリとかパチパチという音がしてきます。
斜めからみても脂身にちょっと色がついてきましたね。この状態になるころには脂身の周りに豚の脂が溶け出してると思うので、その脂をフライパンに馴染ませるように豚肉を移動させましょう。ずっと動かさないとフライパンが熱くなり過ぎてしまいます。

山田工業所の鉄フライパンで豚肉を立てて焼いている状況

脂身がいい感じのきつね色になりました!この色を目指してください。

山田工業所の鉄フライパンで豚肉の脂身が焼けた状態

脂身を焼いたあとは両面を焼きましょう!ここでも火加減は弱火のままです!

山田工業所の鉄フライパンで豚肉の脂身が焼けた豚肉を焼いている状態

そして豚肉は、小まめにひっくり返して両面からゆっくり火を入れてあげることがポイントです。
牛肉は最初から強火なので一度焼きを入れたら触らないが鉄則ですが、豚は小まめにひっくり返しましょう。
最初はこんな感じです。

山田工業所の鉄フライパンで豚肉の脂身が焼けた豚肉を焼いている状態

ちょっとずつ火が入っていくことを目指しましょう。

山田工業所の鉄フライパンで豚肉の脂身が焼けた豚肉を焼いている状態

あとこれはやらなくてもいいんですが、出来れば豚肉の脂でアロゼしてあげるとしっとりジューシーになります。
やり方は簡単で、フライパンちょっと傾けると下の方に溶けた脂が溜まるのでそれをスプーンでかけてあげるだけです。

山田工業所の鉄フライパンで豚肉をアロゼしている様子

ポークステーキの調理にあると便利なのが温度計です。私は先日タニタの温度計(Amazonで1,600円くらいでした)を買ったんですが、もっと早く買っておけば良かったなと痛感しました。

いまの中心温度がどのくらいかの把握が出来ると本当に火入れが捗ります。再現性を高めるための必須アイテムですね。まだ40度くらいですのでまだ焼きを入れます。

山田工業所の鉄フライパンで焼いている豚肉をタニタの温度計で中心温度を計測している様子

46度まで上がって来ました。お肉にもちょっと色がついてきましたね。

山田工業所の鉄フライパンで焼いている豚肉をタニタの温度計で中心温度を計測している様子

57度!この後余熱で火を入れて中心温度を63度以上にすることを考えて、この辺りでフライパンから上げます。

山田工業所の鉄フライパンで焼いている豚肉をタニタの温度計で中心温度を計測している様子

バットに上げると思ったより良い色がついてました!このまま休ませて火入れをします。

焼き上がった豚肉

「魚焼きグリル」で保温をして火入れ

今回はソースも自前で作るので、焼きを入れたあとの休息(火入れ)をアルミホイルではなくバットのまましたいと思います。
方法は簡単で、キッチンの魚焼きグリルを1分程強火で温めておいて、その中にバットごと入れちゃうだけです。(いま気づきましたが魚焼きグリルちゃんと掃除しなきゃですね。。)

ちなみに魚焼きグリルでの保温は思ったより火が入ります
私は今回10分火入れをしましたが、レアっぽい仕上がりが好きな私には火入れは5分程で良かったかもと思いました。

焼き上がった豚肉を魚焼きグリルで保温している様子

10分火入れが完了したお肉がこちらです。冷蔵庫乾燥が不十分だったこともあり肉汁が結構出ちゃってますね。
この肉汁は後でソースに使いますので取っておきます!

焼き上がった豚肉を魚焼きグリルで保温完了した様子

【仕上げ】「リソレ」と「焦がしバターソース」

表面の水分を拭き取り、強火で一気に仕上げる

最後は強火で片面それぞれに2-30秒程で焼き(リソレ)をつけます
洗った鉄フライパンにオリーブオイルを入れて強火にかけます。

山田工業所の鉄フライパンにオリーブオイルを入れた様子

その間に、休ませていたお肉の表面をしっかり拭いておきます。
ここの拭きが甘くて表面に水分が残っていると焼き色がキレイにつかないだけでなく、熱されたオイルが跳ねて火傷しますので丁寧に水分を拭き取ってください。

表面の濡れた状態の豚肉
キッチンペーパーで表面の拭っている豚肉

鉄フライパンから煙が出始めたら、拭いた豚肉を両面焼いて仕上げです!
香ばしくて美味しそうに焼けました!

山田工業所の鉄フライパンでポークステーキを仕上げている様子
山田工業所の鉄フライパンでポークステーキを仕上げている様子

旨味をすべて回収する「焦がしバターとタイムのソース」

フライパンに残った焦げた油は酸化しているので拭き取りますが、底のこびりつき(旨味)は残します。

山田工業所の鉄フライパンでポークステーキを仕上げた後の油を拭いている様子

そこにバター15グラムを入れて火にかけます。

山田工業所の鉄フライパンにバター15グラムを入れている様子

バターが溶けて来たらタイム(フレッシュがあればフレッシュにこしたことはないですが乾燥ハーブでも十分です)を入れます。3-4振りで十分です。

山田工業所の鉄フライパンに溶かしたバターに乾燥タイムを入れる様子

タイムが色づいていい香りがしてきたらレモン汁(小さじ1)を入れて バットに残った肉汁もソースに戻し入れ、フライパンを揺すって乳化させます。簡単ですがとっても美味しいソースの完成です!

山田工業所の鉄フライパンに溶かしたバターと乾燥タイムにレモン果汁を入れる様子
山田工業所の鉄フライパンに溶かしたバターと乾燥タイムとレモン果汁に豚肉の肉汁を加える様子

ソースを作る際はゴムベラでフライパンの底をこそぎながら作るのがポイントです!
ちなみにゴムベラは100圴やAmazonベーシックではなく、ちゃんとした製菓メーカーのものを強くお勧めします。100圴は耐熱が弱くすぐダメになりますし、Amazonベーシックは硬過ぎてシナらないので正直使い物になりません。

私はいまはAlioayのセットを利用していますが、使い心地がまるで違います。
せっかく作ったソースはフライパンに残さないようにしっかり取り切りましょう!

ゴムベラでソースをキレイに拭った様子

番外編:付け合わせの野菜は水につけて復活

付け合わせはシンプルにクレソンにしました。我が家の近くのオーケーストアのクレソンがイケてないことが多いのですが、茎を水につけて冷蔵庫に入れておくと「膨圧」が回復して、茎がパリッパリになります。

根本を切ってコップにつけて、これまたラップせずに冷蔵庫に入れておくだけですので是非やってみてください!

クレソンの写真
クレソンの茎を切っている様子
茎の根本を切ったクレソンを水の入ったコップに入れている様子
茎の根本を切ったクレソンを水の入ったコップに入れたものを冷蔵庫で乾燥させている様子

簡単にいうと水を吸って中はジューシー(パリッパリ)になって、表面は冷蔵庫で乾燥してパリッとなるってイメージです!


まとめ

豚肉の甘い脂、焼き切れた脂身のカリカリとした食感、タイムの焦がしバターソースのコク、クレソンの苦味がスパークリングワインとマッチして無限ループでした!

完成したポークステーキと付け合わせのクレソンの写真。

今回は牛肉のステーキとの焼き方の違いにフォーカスして紹介しましたが、改めて以下は大事なポイントだなと思いました!

  • 豚肉は常温に戻さず「コールドスタート」。
  • 冷たいフライパンで弱火で最初に脂身を焼き切る。
  • その後も基本弱火で火を入れる。
  • 最後に強火で仕上げる前にキッチンペーパーで水分をしっかりと拭く。
  • 豚肉のパンチある甘味には「酸味(レモン)」と「清涼感(タイム)」のソースがマッチ。

スーパーの普通の豚ロース肉が週末のメインディッシュになります!今週末にぜひ試してみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!


ちがうちがう、豚肉じゃ、豚肉じゃない!牛肉だ!という方は是非以下の記事を参考にしてみてください!

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